老人ホームのトラブル

契約書の重要性

私たちが社会で生活する上で、守らなければならない約束事があります。例えば、店で品物を買う際に、店に対してその代金を支払わなければならないという「約束」が発生します。この約束を「契約」といいます。この「契約」によって、法律上の権利と義務が発生します。この場合でしたら、代金の支払いが義務で、支払うことで品物を受け取りことができるのが権利です。もし、この契約に際して、品物が引き渡されない場合、相手を訴えるなどして、強制的に行使することができます。

老人ホームに入居する場合にも、入居予定者と経営者との間で「入居契約」を結びます。同じように、介護サービスを受ける際にも、介護事業者との間で、「サービス利用契約」を結ぶことになります。「契約」は、一方からの「申し込み」とそれを受けてもう一方が「承諾」で成り立つのです。もちろん契約自体は、口頭でも成立しますが、後々のトラブルを回避するために、通常は「契約書」を作成し、署名・押印するのが間違いない方法です。

この契約に関して、契約当事者の双方が十分に「契約内容」を吟味し、納得の上で契約を結び、契約後にその「契約書」どおりのサービスが行われれば、問題ありません。しかし、通常は「話が違う」「契約以外に料金を取られた」等のトラブルが発生します。このようなトラブルの原因としては、次の3点が考えられます。1つ目は、法律や契約の知識がなかったために、相手に利用されてしまった。2つ目は、相手の話をよく聞かずに、しかも内容を正確に理解しないまま契約をしてしまった。そして3つ目は、相手が正しいことを伝えなかったためにだまされてしまった、ということになります。

従って、契約の中身を明確にするために「契約書」を作成することは、後々のトラブルを回避する役目があることはもちろん、その「契約書」で確認すべき重要な事項があります。それが次の2点です。

まず、「サービスの内容」です。ここには、契約後に入居者に対して施されるサービスの内容が明記されています。特に、契約の日付けと「何をどうするサービスか」という契約内容は、後々トラブルになった際の解決の「決めて」となるものですから、特に重点的に確認をしておきます。

次に、「責任の所在や賠償責任」です。契約が履行されなかった(実行されなかった)際に、その責任はだれが取るのかという問題は重要です。また、損害があった場合の賠償責任はどうなっているのか、また賠償のための保険に加入はしているのかも、確認すべき項目です。その他、契約の際に「収入印紙」などの経費が必要となりますが、だれが負担するかということも注意すべき事のひとつです。

なお、有料老人ホームについては、平成23年6月に老人福祉法の改正が行われて、入居後一定期間(90日)内に利用者が死亡したこと、または契約が解除されたことにより有料老人ホームを退去する場合に、利用者から受け取った前払い金から一定の金額を差し引いた金額を返還しなければならないということになりました。

 

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